ベアリング追加チューンとして、すでにハンドルノブとスプール軸ベアリング、ウォームシャフト後端部に は、3箇所実施しました。
ストラディックSW4000を使用した感想は、ハイギヤタイプであっても、ライトジギングの重めなジグでも、ちゃんと使える回転性能!です。ハイギヤですがパワーもあります。
と言うより、パワーロスが少ない分、ハイギヤでも楽に巻ける!
が正しい表現です。
今まではパワーギヤタイプを好んで使用してきました。巻始めの回転の重みが少なく、強引に巻けるという理由からでした。
それは、フレームやローター等の剛性や、ギヤやベアリング部のトータル性能が、そこそこのレベルだった過去の中堅モデルだったからなのでしょう。
それは過去の話であり、この最新の中堅モデルである 20ストラデックSW4000HGは、とても良い仕上がりとなっています。
魚が掛った時でも回転がとてもスムーズです。
ならば、リール内部のウォームシャフトの前端部にもう一つベアリングを追加したら、更に性能がアップするのではないかと、ベアリングチューンを施すことにしました。
入れるベアリングは、ミネベアのミニチュアベアリング 520サイズになります。
ここで、購入時に注意して下さい。
幅が2.3mmのものと、2.5mmのものがあります。
必ず幅2.5mmのものを購入して下さい。(末尾にW52と記載あり)
クリアランス調整には、タミヤのシム(ワッシャー)を使います。
ウォームシャフト後端部にもベアリング追加される方は、外径6mm、内径3mmのベアリングも必要になります。
では、ベアリング追加作業開始!
それでは手始めにスプールとハンドルを外します。
スプールの座金を外します。
セットスクリュー(M2×5)を外します。
0.89mmの六角棒スパナが必要になります。
セットスクリューを外したら、スプール軸ベアリングの部品を一式外します。
リテーナーを外します。
ローターツバを外します。リテーナーと一緒にネジで固定されています。リテーナーと一緒に外せます。
ローターベアリングシールを外すと、ローターナット内部に埋まるメインシャフトベアリングが見えます。
メインシャフトベアリングがどのような構造になっているか見たくなり、分解しました。
この部分に、ステラ等にはベアリングが装着されていますので、部品を流用できそうですね。
今後、時間と財布に余裕がある時、追加することにします。
本題であるベアリング追加作業に戻ります。
ローターを外しますと、ラビリンスシール構造になったローターカラー(シャフト部のアルミ(銀色)材部)が見えました。
ただし、この方向からはラビリンスシールは見えません。裏側になります。
こちらが、ラビリンスシール部になります。防水性はあまり期待出来ない構造ですが、有るだけ性能はアップしていますね。
フリクションリングを外します。
ここから先、ローラークラッチ、ピニオンギヤやベアリングを外さなくても、ウォームシャフトの端部にはベアリング追加できますが、構造を見たいがために分解を続けます。
ロータークラッチを外します。
こちらがロータークラッチの反対側になります。
ここで注意!
ローラーベアリングなどはネジ等にて固定されていません。この面が上に向くようにリール本体が上、ロータークラッチが下の配置となるようにして取り外すこと。
そうしないと中のクラッチ部品がバラバラになります。
また寄り道をします。
ロータークラッチの構造を見てみたくなりましたので、分解します。
このロータークラッチの分解は、組み立てにとても集中力を要することになり、途中で後悔しました。ピンセットは金属製のものではなく、100円ショップでも販売されているプラスチックのものを使用されることを強くおススメします。
金属製のピンセットには、僅かですが磁性を帯びています。それが、髪の毛と同じかそれより細くて軽い小さなバネが、磁力によって引っ付いてしまいます。
とても作業し難い!(イライラ)
ピニオンギヤを外すため、ベアリング押さえ板を外します。
ようやくピニオンギヤのベアリングに辿り着けました・
ここにもシール用のゴムがあります。
随分と長い寄り道をしてしまいました。本題に戻ります。
ネジ1本で固定されているボディガードを外します。
ボディを割るため、両側のネジ4本を外します。
そうこうしているうちにピニオンギヤが落ちてきました。外さなくても良かったんですが、この状態まで分解していたので、一旦外します。
ようやくボディが分割できました。
クラッチとピニオンギヤ部の分解無ければもっと速かったな~。
構造的にとても精密にできていますね。
20 ストラディックSW5000以上の番手では、このウォームシャフト構造ではなかったのが、残念なところでした。
摺動子ガイドを外すと、メインシャフトが外れ、抜き出せるようになります。
ウォームシャフト後端のカバーを外します。
ノーマル状態ですと、このようなプラスチック材のブッシュが見えます。
私は先のベアリング追加チューンにて、ここはベアリング化してありましたが、敢えてブッシュに取替え写真を撮り直しました。
ウォームシャフト後端より抜出します。
今回の目的であるベアリング追加したいパーツに辿り着きました。
ブッシュの厚みを計測します。
ベアリングの厚みも計測します。
ほぼ同じ厚みだったのですが、気持ちだけベアリングの方が薄いかな?
そこで、外径5mm、内径3mm、厚さ0.1mmの調整シムを1 枚だけウォームシャフトの前部外側にセット。
後端部でクリアランス調整することにしました。
最終的には後端部に全部で0.3mmのシムを追加し、セットすることにしました。
中間ギヤはスクリュータイプではなく、平行溝なので、クリアランスの吸収代が多くなっていると考えられます。
そのことで、以前のモデルほどシビアなクリアランス調整は要しないと考えられます。
ただし、クリアランスは少ないに越したことはありませんので、調整しておきました。
上位モデルに採用される曲げ座金に変更した方が、簡単にチューンが行えると思います。
ここから組み立てに戻ります。その前にドライブギヤに少しグリスを足すため外します。
とても精密そうなギヤですね~。
撥水グリスをケースの割れ目に足しておきます。
このウォームシャフト後端部にも撥水グリスを足しておきます。
ラビリンスシール部にも、気持ち性能アップを図ろうと、撥水グリスを追加しておきました。
高価な撥水グリスの割に、効果は薄いでしょうけどね。
撥水コートされているから、クリアランスにグリスを詰め、ゼロにするとただの抵抗にしかなりません。
分かっているけど、気持ちの問題です。
全体を組上げて、ハンドルを回した感想は、正直に言います。
変わらない。
違いは分からないです(^_^;)
これは、オーバーホールの時に行うようなチューンですね。完全に自己満足レベルのチューンです。
ウォームシャフト後端部だけで良かったかな?
大物の負荷が掛った状態の時、巻き始めに違いを感じられることを祈ります!
【追記】
巻き取りが更に軽くなりました。
大きな魚が掛かった時、最初の巻き取りがとても軽くて、変な引っ掛かりも無く、自然な回転が行えるようになりました。
ベアリングを入れる前より、ハイギヤ寄りのリールに感じる引っ掛かりを、より感じなくなりました。
ウォームシャフトの前後にベアリングを追加するチューンは、面倒ですが是非に行うことを薦めます。
(追記)
後にローターナットベアリングの追加を行いました。どのベアリング追加をするよりも、まずはハンドルノブとローターナットベアリングを追加することから始めることが、簡単かつコスパ良いと思います。