先のスロットルワイヤー取替作業から、続きエンジン分解しました。その分解整備の記録になります。
まずはエンジン分解した際に必要となる部品を、事前に購入しておきました。
今回はエンジンを分解し、オイルシールの交換を行いました。
今夏シーズンにオーバーヒートさせてしまいましたが、その高熱なのか?それとも経年なのかは分かりませんが、オイルシールの熱ダレと劣化が見られました。
そもそもオーバーヒートした原因は、冷却水路の塩詰まりだと思われるので、エンジン分解途中でどれほど詰まっているのか、確認しながら除去しておこうと思います。
塩詰まりについて結論は、冷却水路の小さな穴がカチコチに閉塞した箇所が2箇所ありました。そのほかにも閉塞気味の穴が数か所あり、その除去作業のほうが労力を費やしました。
今回の作業はオイルシール交換と言うより、塩の塊をほじくる作業がメインとなってしまいました。
エンジンを降ろしたした際に、ゼリー状の塊をみてヤバイかな?と思いました。
エンジン上部にあるフライホイールを外しました。
フライホイールの端を片手で押さえつけ、インパクトレンチを使いナットを回したところ、一瞬でナットを外せました。
次にフライホイールを、3本爪タイプの150㎜ギヤ―プーラーにて外しました。
3本爪のうち1本は半掛け状態となりました。2本タイプの方が外しやすいと思います。
シャフトとフライホイールは、互いにテーパーになってます。
この様なタイプではギヤプーラーにてテンションをある程度掛けたら、プラスチックハンマーにてフライホイールを軽く叩き衝撃を与えると、フライホイールを外すことが出来ます。
ちなみにエンジン上部にあるオイルシールは、NOK社の BE3443Gでした。
ピックアップツールを2本使い、内側から差し込んで引っ張り上げると抜けました。
このオイルシール交換だけなら、エンジン分解は不要です。
シリンダーヘッドカバーを外しますと、バルブロッカーアームとバルブスプリングなどが現れます。
ここでイキなり分解するのではなく、タペットのクリアランスを、シックネスゲージを使い計測しておきました。(どちらのクリアランスも0.1~0.15㎜でした。)
また、ナットにマーキングしてありましたので、写真にて記録しておきました。
タペットアジャストスクリュとナットを緩め、プッシュロッドを外して、バルブロッカーアームを外しました。
シリンダヘッドを外しました。
ガスケットをめくると?
う~ん。冷却水路は塩まみれでした。
次にシリンダブロックとクランクシャフトケースを分解しました。
この時、カムロッカーアームのスプリングが飛びだし、内部に転がってました。
すぐに無くならないよう、カムロッカーアーム部の部品をピックアップしておきました。
エンジンのケースを分解したところで、ようやく今回エンジンを分解した主目的であるオイルシール交換に辿りつくことが出来ました。
まずはオイルシールの交換前の写真はコチラ
シール部にはゴムの弾力が多少ありましたが、
しかし、新品と比べるとカチコチでした。
このオイルシールの外周部が固着していてピックアップツールでも外し難い状態でした。内側から棒で叩き出して外しました。固着してなければ外側からピックアップツールで外せると思います。
このオイルシール交換は、今回の全体作業量からすると半分程度でした。
残り半分の作業は塩の付着や閉塞した箇所を取り除く作業となりました。
写真で分かりやすいように、貫通部にドリルなど差し込んであります。
どこに穴が有るのか、参考までに多く載せておきます。
今回はプロテクションアノード(犠牲電極)も交換しておきました。品番:55321-95J00
海水使用の場合、このアノードは最低でも2年くらいで交換した方が良いと思います。
ここのガスケットも新品に交換しました。
クランクシャフトのロアケースのオイルシールは、もちろん新品へ交換しました。
部品番号 59295-97J10
このオイルシールは495円でした。
因みにオイル側面の番号は、何と記載?
下から時計回りに読むと?SO 15 25 6 HS
TOYOオイルシールさんのSO型 内径15mm外径25mm(26mmとも読めるような?)厚さ6mmかな?ネットで購入しても値段は500円程度なので、純正品購入の方が無難ですね。
このオイルシールはもう少し早く交換しておけば良かったと思いました。
(他のオイルシールメーカーだと、NOK AC 0588 E5が近い形状だと思います。)
エンジンを組み立てる時、下の写真から次の工程が大変です。
カムロッカーアームと、オイルポンプシャフト部を、シリンダブロックを下側にして組みます。ガスケットは新品をセット。
そして、クランクシャフトロアケース側を上にし、組み立てます。
この組付け時、3本のシャフトを同時に入れることがとても難しく、何度もトライしました。
少し入れ方を変えて、オイルポンプのシャフトをロアケース側に差し、指で押さえながら組み立てました。
それでも少しズレたりしてしまうのか、少し入り難かったのですが、フライホイール側を回して何とかハマりました。
とここで、オイルフィルターとクランクシャフトのワッシャーを入れ忘れていた事に気が付きました。
もう一度分解し、組み立て直すことになりました💦💦
組み立てる時の注意点として、ご存じかと思いますが、念のため写真にして残しておきます。クランクシャフトとカムシャフトにはタイミングがあるので、その目印(マーク)を合わせてから組み込むことです。(ここでは黄色のマーキングを合わせる)
それにしてもまさかエンジン組上げる際、部品を2つも組み忘れるなんて!って、反省した次第になります。もう少し休憩しながら、疲労を溜めないで作業すべきでした。昨日の登山疲れも残ったまま作業したため、集中力が全然足りてませんでした。
シリンダヘッドを取付け、バルブロッカーアームなど取付けは、後の調整のため仮組み
スパークプラグも新品へ交換
タペット部のクリアランスは0.1㎜ちょっとで組みました。厚み0.15mmが少し当たりながら入るくらいの調整としました。
かなり曖昧なクリアランス調整ですが、あまり神経質にならなくても良いんじゃないですかね。
どうせすり減って少しクリアランスが広がっても乗れますからね。
シビアに最高出力を目指すなら必要な作業になります。
タペットのクリアランス調整したら、シリンダヘッドカバーの新品ガスケットを使い取付けると、エンジンの組戻し完了!
あとは、全体を組戻しました。
残りの作業はスロットルワイヤー交換と重なるので、以下の記事に記載しておきます。
登山と、このエンジン分解を2日続けて休みなく作業しましたので、とても疲れました。