分割ボート釣りブログ

東京湾内房付近にて、分割ボートを使ったライトジギングを楽しんでいます。艤装品製作のため沢山の道具や材料を購入ますので、それらを家庭へ還元するDIY作業も行います。また、海だけではなく、流れ込んでくる川の調査と称する登山も行います。そんな内容を記録するブログになります。

カヤック用アンカーロープリール(ステンレス材)の自作 【ロープ巻取りホルダーの製作(DIY)】

目次

はじめに

数年後に体力が衰えてくるであろう頃?までに、恐らくカヤック釣りへの転向を考えています。随分と気が早い話ではありますが、今の知力体力と時間があるうちに、カヤック用のロープリールを製作しておこうと思います😁😁

ステンレスの端材を有効活用してストック材も減らしながら、昨年製作した船外機スタンドより難易度高く、自分史上一番手間を掛けた溶接品を製作することにしました。

この製作はDIYですが、溶接を伴いますのでかなり難易度高めでした。

 

これまでの経緯

ここで今使っているアンカーロープリールの昔話を入れておきます。

分割ボートを使った釣りを始めてすぐに、まな板を材料の一部に使ったアンカーロープリールを製作しました。

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この時、全てステンレス材で製作したかったのですが、必ず溶接しなければならない継手が何箇所かあり断念しました。その製作にはドリルとノコギリなどの手動工具のみで出来る形としました。そのメインとなる材料が、加工しやすく強度があって腐らないプラスチックまな板としました。

分割ボートのアンカーとして使用するには、ちょうど良いサイズ感です。分割ボートに乗る現在は、今のアンカーロープリールに全く不満はありません。

それは分割ボートには十分な置場があり邪魔にならないからだと思います。

置場の狭いカヤックでは、更にコンパクトなアンカーロープリールが欲しいと思うはずです。

そんな事から、よりコンパクトなアンカーロープリールを製作することにしました。

 

イメージする形と材料選定

先日、コマセバケツのサイズをΦ150⇒Φ200に対応するようホルダーを製作して入替えたところ、今まで使用してきたΦ150サイズのホルダー2個が不要となりました。

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そのバケツホルダーのステンレス材を再利用できないか?と考えていたところ、思い付いたのが今回のステンレス製のアンカーロープリールになります。φ150くらいがカヤック用に寸法的にちょうど良い円形具合だろうと感じています。

 

そこで出来る限り手持ちのステンレス材を使い、溶接によりアンカーロープリールを製作してみようと思いました。

 

作りたい!や、有ったら良いな?だけだと、ダラダラと時間だけが過ぎていきます。

それを形にするには?設計力と作業力のエネルギーと時間がとても必要になります。そんな条件が揃った今のうちに作っておこうと思います。

 

まずはどのような形と大きさにするか?ですが、

おおよそのイメージに近いモノは、あおりねっとのスーパーリールみたいな?シンプルな形ですね。

 

全てステンレス材に拘らなければ、コレを買ったほうが早くて安価ですね。

 

海外製の電工リールも、同じような価格で販売されています。

でも、欲しい形はスーパーリールような形のモノではありません。

どちらかと言えば巻き尺の方がイメージに近く、スーパーリールと足して割ったような形が、私のイメージなのかな?と思います。

電工ドラムの片持シャフト構造で、巻き尺くらいの大きさ、さらにドラム部はスーパーリールくらいが欲しいサイズ感になります。

 

少し話が逸れますが、この釣りスタイルを始めてから感じたことですが、専用品がほぼありません。ただ諦めるのではなく、無いモノは自分で作ったほうが早いと思います。

 

 

まずはイメージする形になりそうな材料を集めて並べ、少し考えてみました。
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イメージした形にする材料が、まだ不足しています。さらに6mm丸棒は2m分ストックがあります。

以上で、今回のアンカーロープリール製作に必要な材料は、ほぼストック材にてほぼ何とかなりそうです。

でもリールシャフト部になる一部の材料だけは、どうしても足りません。

 

シャフト部の芯には10Aサイズのパイプとしまた。そのシャフト部を通すタイコ側のパイプが必要となりました。

ここで、一般的に市販されているネジ切りパイプは肉厚なため、10Aパイプを15Aパイプの内側に通せません。外径が15Aパイプ相当の肉厚の薄いシームレスパイプが必要となりました。

シームレスパイプなんてホームセンターで販売されてませんので、この部材のみ切売りしているネット販売を利用することにしました。

 

 

製作過程

これでおおよその形が決まりました。

切断し調整する箇所は後回しにして、まず形になるようステンレス用手鋸にて、寸法に切り出してみました。
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レノックス社のステンレス用鋸刃は、2枚入りで500円程度になります。

この刃を使用すると、グラインダーを使用しなくても、とても楽にステンレスが手動にて切断することが出来ます。

並べてみると良く分かったのですが、部材が少々ゴツ過ぎましたね。

残材なので仕方ないことと、少し諦めています。

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この材料配置では恐らく全体像は分からないと思いますが、写真の右側がメインフレーム、左側がドラムの主要部材になります。

 

まずは直流アーク溶接機で細い丸棒を溶接することはとても難しい作業になります。そんな丸棒の溶接があるドラムと、シャフト部とメインフレームから製作し、大まかな形にしていこうと思います。

 

部品は一つ一つ切り出して、何かしら加工しなければなりませんので、手間が掛かりました。

ワッシャー内側の寸法が、パイプ10Aの外径側に少し合わなかったので、ドリルのヤスリを使い削って調整しました。
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キッチンのシンクまわりで、ドリルを使ったヤスリ掛けしました。いつもの様に家族から冷ややかな目で見られましたね☺

こんな些細なこと、気にしない気にしない

 

シャフトとメインフレームは、溶接にてT字に継ぐため、まずは
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パイプ外周との仮固定時の座りが良くなるよう、端をヤスリにて削っておきました。
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細かなことですが、この細かな作業が有るか無いかで、歪みをより抑えられます。

 

ドラム外周部はステンレスφ6mmのφ150リングになります。シャフト部から6mmの棒材4本を放射状につなぐことにしました。
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強度的には4本で十分です。それ以上の本数となると、後の溶接作業がとても難しくなってしまうだけですからね。止めておきました。f:id:Minow:20230122202123j:image

部材を切り出し並べて、ようやく形が見えました。製作途中にて設計する形を決めることが出来ました。

形が決まりましたので、ここから溶接する作業をアップすることにしました。

 

いきなり溶接すると、必ずドラム部は歪んでしまいます。そこでドラム部を溶接する前に木材で簡易的な冶具を製作し、クランプで固定させてから溶接しました。
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手持ちしてフリーな状態で溶接すると、後で手戻りも出来ない位のに、歪な形になってしまいますからね。

木で良いので冶具は必須アイテムだと思います。
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この日は時間の都合により、ドラム外周部とシャフト部のT継手のみ行いました。

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ただの棒やパイプを繋ぎ合わせただけですが、だんだん形になってきましたね。

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これでようやく半分の完成度かな?

 

 

因みにドラム部分の軸に用いた部材は、シームレスパイプの外径22mm×内径18mm(2mm厚)としました。

このシームレスパイプの内径が18mmありますので、10Aサイズのパイプ外径17.3mmを通す事が出来ます。

このシームレスパイプをドラム部の中心軸にしたのですが、溶接による歪みが出ますので、なかなか芯を出し難い作業となりました。

1箇所溶接したら冶具から外し、歪みを直してから次の溶接へと作業を進めました。

 

寒い中で集中力を保ち難いこと、さらに日が傾き薄暗くなってきたため、ドラム部の製作途中にて作業を一度中断しました。

その夜、温かい室内で芯出しと仮固定までしておき、翌日に作業することにしました。
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翌日朝方の天気が少し悪かったため回復するまで待ち、昼間の少し温かくなった時間帯から溶接作業を再開し進めました。
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ほぼイメージしていた形になりました。

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ハンドルのパイプ15Aは、切断する時間が無かったので後回しとし、まずは全体を組立てることを優先させました。

加えてドラム側面に取付けるハンドル部材を製作しました。

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残りの作業は、ハンドル部の切断とゴムグリップ取付けになります。

あと先端にロープガイドを取付ける予定になります。

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ロープガイドはロングニップルの内側を通すだけとする予定です。そこでロングシャックルに6mm丸棒を溶接しておきました。

この後、パイプのニップル材に6mm穴を開け、丸棒を差し込んで点溶接にて接続します。

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失敗してダメだったこと(作り直し)を見越して、先端部のロープガイドは交換しやすいニップルにしてあります。

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あとはニップルをネジ込み接続し、回転しないよう点溶接しました。

 

ほぼ形になってきたところで、一つ問題が見つかりました。それは、ドラムがスムーズに回転し過ぎるため、ロープの重力だけで常に回転して放出してしまうことです。

そのためストッパーが必要だと、気が付きました。

そこでφ4.8mm(ほぼ5mm)のクイックリリースピン(長さ35mm)を購入しました。

 

クイックリリースピンが到着する前に、6mmナットを取り付け内側にピンを差し込むようにしました。
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ナット同士の芯が合うよう5mmボルトにて固定し、溶接しました。


あと、ロープがシャフト部にて空回りしないよう、シャフト部にナットを溶接して空回り防止を取付けました。
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この空回り防止は無くても、サイドの丸棒に縛り付付ければ良かっただけなのですが、それほど手間ではありませんのでしたので、巻いた後の見た目を良くするため取付けました。

 

完成形のお披露目

そうしてようやく完成しました。

完成するまでに延べ5日間くらい掛かりましたかね。

その期間の半分はどうしようかを考えていた時間の方が長かったと思います。考えて切断寸法を決め、また全体的な確認をしていましたからね。時間が掛かりました。

図面無しの状態から始めた作業なので、多少時間が掛かっても仕方なしです。
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初物1号ですが、仕上がりはソコソコ完成度高めだと思います。

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試しに5mmロープを10m巻いてみましたが、とても楽ちんに巻取れました。

ドラムの残り容量からすると、計算通りあと20mは余裕で巻けそうです。いやもっと巻けそうですね。

最も気にしてきたロープガイドも、片方へ寄ってしまうことなくちゃんと機能し、巻取りはスムーズに均等に巻けました。

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ロープの空回りを止めるための機能を後付けしました。狙い通りに見た目スッキリとした形になりました。このストッパー機能のお陰でロープはちゃんと空回りしませんので、取り付けて良かった部材でした。

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空回り防止は、この時点では6mmボルトになりますが、クイックリリースピンが到着したら、ボルトから変更するつもりです。

でも、このボルトのままで使い勝手は良さそうです。

5mmロープ10m巻いた状態で、重量は約1000gでした。
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その内訳は、ドラム側だけで500gありました。
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ステンレス丸棒5mmで製作すると、多少は軽量化出来そうですが、計算してみるとあまり軽量化出来そうもありません。まあこんなもんですね。

 

因みにドラムを回転させるハンドル部は、軽量化を図るため早速改造しました。

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ハンドル部が重すぎてドラムの回転が偏心し、アンバランスでした。特にロープの放出時には全体が揺れるため、軽量化となるように改造しました。ネジ切りパイプのネジ部を切断した端材になります。芯材を入れ外周側がこのパイプ端材としました。

 

さらに軽い樹脂パイプに交換するかもしれません。

 

ロープ太さは1〜2kgのアンカー重さでも手に食い込み難い5mmとしました。4mmでも良かったのですが、5mmなら現在の分割ボートにもギリ使える太さなので、使い回せる太さにしました。

ネット販売されるパラコード5mm×30mを1000円で購入し、巻き付けることにしました。

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ロープの太さですが、金剛打と比べるとやや少し細め仕上がりでした。

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ドラム幅も少し余裕を持たせましたので、30m巻いてもまだ余裕がありました。

そこで金剛打5mmロープ10mを繋ぎ巻いて40mとしました。

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それでもまだ余裕はありました。

 

最後に

このアンカーロープリールは2ヶ月くらい掛けて製作する予定でしたが、かなり早く仕上がりました。

クオリティー高めなカヤック用のアンカーロープリールが出来ましたが、まだカヤック転向は先の事なので、このアンカーロープリールはしばらくお蔵入りしそうです。

 

いやいや勿体ない!お蔵入りさせませんよ!

金剛打6mmロープをドラムの端ギリギリまで巻き、全体のロープ長さ50mとして4kgのフォールディングアンカーに繋ぎました。
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たまにしか使わないので、これで使ってみることにしようと思います。

ロープ太さ5mmは手に食い込みやすいので手前側にして、アンカーを底から垂直に引き上げる時は太さ6mmになるようにしました。

 

 

数年後に分割出来る足漕ぎカヤックが、ジェイモ等の動力も搭載できるよう使い勝手がアップしたら転向したいと思います。現在販売されるモノで改造すれば、出来るのですが分割式のラインナップが乏しいので、少し躊躇しています。

それまでは頑張って今の分割ボートを使用し、釣りしていこうと思います。

それもあと数年位かもしれません。

 

 

今回のロープリール製作で一番手間が掛かったのはドラム部になります。

全てステンレス材にて製作しましたが、樹脂製ドラム部は巻取り機用の空リールが1000円台にて販売されていますので、こちらを使ってシャフト部分を塩ビパイプ材にて組み上げた方が、早くて安価だと思います。

 

このドラムにあうハンドルとフレーム、シャフトのみを製作したほうが、楽だったかもしれません。

 

全てステンレス材なので、長年使用しても強度が低下する不安が無いのが、メリットになります。

が、その製作は半端なく大変でした。

は〜疲れた〜

もう一つ製作するのはしばらくムリです。

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