これまで船の先端部にグリップする箇所が無かったので、縁を掴んで砂浜で組立てた船を引っ張り運搬していました。
現在の艤装品にあまり不満はありませんでしたし、より良くしようする気持ちも少し薄れていたのかもしれません。
先日から改良したい!という気持ちが再燃しまして、今回は運搬しやすくなるよう船首にグリップを取付けることにしました。その記録になります。
まずは現状の船首全体から分かるように、船首にはグリップ部がありません。
砂浜をドーリーで引っ張る時に、船首の縁を掴みながら横へ引っ張っています。
グリップ部がないため、とても力を入れ難い形状なんですね。
以前から何とかしてグリップを取付けたいと考えていましたが、何となく満足してしまい手を加えるまでには至りませんでした。
それが先日に、ふと思い付きました。
横に張出したアンカーローラーの反対側に、張出してグリップを取付ければ良いんじゃないかな?と、そして三方ローラーも改良してグリップしやすい形状にした方が良いんじゃないかな?と
こうして見てみると、なかなか良くできた三方ローラーですが、最初に取り付けたローラーを振り返ってみると、何だかおもちゃみたいですね💦
でもちゃんと使えるローラーでしたよ。
話は戻ります。
横に張り出した三方ローラーの反対側に、グリップを取付けることで船首を持ち上げ易くなり、砂浜からの出船・着岸時に引きずり移動させやすくなりそうだと思います。
と思いついたら、即行動です!
物置から20Aサイズのステンレスパイプ60cmを出してきて、船首に置いてみると?
なかなか良いんじゃないかな〜
この20Aのパイプにグリップを取付けるとなると?
パイプ外径が27.2mmなので、バイクのアメリカンタイプ等のグリップが使えそうです。
即購入!
1インチハンドルの径が25.4mmではありますが、スロットル側の方は、それより太い27〜28mmに対応します。
写真右側が内径25.4mm、左側が28mm用です。どちらも回転しないよう、やや小さめに作られています。
20Aサイズのパイプをグリップとして取付けるなら、アメリカンタイプのバイク用グリップが使えます。
因みにグリップの内側長さは120mmです。
どのグリップもおおよそ同じ長さです。
グリップを船首に取付けるだけなら、両端長さを揃えてカットし、ボルト穴をドリルで開けるだけで完成となりますが、グリップの反対側にはアンカーローラーを取付けたいんですね。
となるとアンカーローラーの取付けが、今回の作業において最大の難関となります。
そんなアンカーローラーのローラー部材として、ステンレス材20サイズのローププーリーを3個購入しました。
このプーリーを分解し、ローラー部をアンカーローラーに使います。
因みに、ステンレス材なので高額か?と言われれば、そうでも無く、Amazonにて3個で800円程にて購入しました。
安っ!
分解する前、プーリーとパイプサイズとの対比してみましたが、、ローラー径が20mmなので、意外と小さいんですよね。ローラーが一つだけだと幅が狭くロープを掛け難いので、プーリーを3連にしたいと思います。
全体的な設計図が頭の中で描けました。
ローププーリーのシャフトのカシメ部をドリルで削り取り、シャフトを抜いてローラーを取出しました。
カシメ部にいきなりセンターポンチを打てませんし、ドリルよ刃が入りませんので、ヤスリで☓印に削ります。その☓印中央に細いドリルでキズを付けると、ドリルの刃が入りやすくなります。
ローププーリーを3個分解し、ローラー部を取出しました。
ローラー1つ当たりの横幅は12mmで.三連結した横幅は約36mm。
このシャフトには、両サイドのフレームやワッシャーの厚みを考慮して、半ねじタイプの長さ70mmのM6ボルトとしました。
このボルトのネジ無し部の長さは、45mm有ります。
ナイロンワッシャーは、ローラーのほぼ同じ18mmサイズとしました。
両サイドのフレームは、幅20mm厚み2mmのステンレスフラットバーから切り出しました。
ボルトの余分なネジ部を、ステンレス用ハンドソーにてカットしました。
ローラー横幅が決まり、取付に要するパイプの張出し長さが決まりましたので、パイプを約480mmにカットしました。
20Aパイプにローラーを溶接する前に、プラスチックワッシャーは、溶接熱で溶けないようステンレスワッシャーに組み替えました。
溶接スパッタがローラーに飛び付着しないよう、アルミホイルを巻き付け、溶接する位置からズレないよう結束バンドにて仮固定させました。
この日は外気温38℃くらいありましたので、少しでも日陰で作業しようと、延長コードを使いコンセントから離れた箇所で作業しました。
腕前も悪いのですが、その延長コードが原因で、自分史上最低レベルに汚い溶接ビードとなりました。
原因は猛暑で熱せられたコンクリート地盤面から受熱した延長コードも熱せられます。電線は熱くなるほど抵抗値が増えるため、電流が流れ難くなったのか?と考えられます。溶接途中アークが飛ばなくなり、諦めて溶接作業場所を変更しコンセントから直配線にしたところ、アークが安定しました。
始めからコンセント直で作業しておけば良かったと後悔しました。
見た目が悪いだけで4点以上は溶接出来ました。もう一度作り直す気にもなりませんので、これを、仕方なく使うことにしました。
ローラーを組込んでみると?
溶接後の熱収縮を見込みワッシャーで広くしてから溶接したのですが、見込み以上に狭くなってしまいました。ローラー間のワッシャーを抜き取付けることにしました。
何がかんだ不満はありますが、ようやくアンカーローラー部が仕上がりました🙌
ここまでの作業で汗だくになりました💦
最後にボートへの取付け穴をドリルで開けるのですが、アンカーローラーの取付け位置は決まっていますし、ボート側の取付け穴の間隔は195mmと長さ方向は決まっていました。
が、アンカーローラーの取付け角度をどうするか?
そこで取付け角度についてアレコレ考えました。
アンカーローラーにはロープガイドとして角を出しましたので、水平寄りにするとロープガイドとしてあまり機能しません。
ロープガイドとしては最大限に機能させるなら、垂直方向なのでしょうが、これだとロープがパイプと擦れてしまいます。
45度方向だとロープガイドとしては?などと考えながら休憩しているうちに時間は意外と経過しました。
最後は45〜90度方向に最適角度があるんだと再確認したところで、その中間角度となる約60度方向に取付けることにしました。
ロープガイドとして機能しつつ、ローラー部がパイプ(船体)に擦れなく、少し張り出すような良い角度設定だと思います。
最後の加工となる穴開け作業は、φ8mmの貫通穴とするため、ボール盤を使いました。
ホームセンターカインズの工作室へ持込み、30分の使用料250円にて穴開けしました。
バリ取りしたあと船首へ取付けました。
グリップゴムを差込みやすいよう、パイプ表面に薄くシリコングリスを塗った後、差し込んだら完成〜🙌
グリップを取付けた事で、とても掴みやすくなりました〜🙌
もっと早くに行うべき艤装品だったと思います。