水冷式船外機は、その名のとおりエンジンの冷却を、水を使い行います。
私の使用している水冷式の2馬力船外機は、海の場合では海水が冷却水となります。
2馬力船外機の水冷の仕組み:エンジン↔️海水
※大型になるほど、エンジン↔️クーラント↔️熱交換器↔️海水の方式などになります。
(↔️が熱交換を表す)
冷却水の流路には、冷却し過ぎないよう冷却水温度を調整する機構としてサーモスタットと呼ばれる自動調整バルブが取り付けられています。
熱すぎても、冷やしすぎも良くないとは、複雑でデリケートですね。
冷却水流路と言えば、目に見えない箇所になりますが、塩の固形物によるスケールが蓄積しやすい箇所になります。
ここが詰まってしまうと、オーバーヒートの原因になります。海上で漂流する確率を減らす意味でも、数年に一度は点検しておいたほうがよいだろうという考えに至り、今回点検しました。
点検のため一度開けたら、ガスケットはボロとなりますので、新品のガスケットが必要になります。
どうせ滅多に開けない箇所ですので、サーモスタットを交換してしまおうと思います。
今回は予防的な交換になります。
そして、このサーモスタットの横には電食(腐食)防止のアノードが取り付けられていますため、合わせて交換します。
購入したサーモスタット、アノード、ガスケットになります。
55321-95J00-000
プロテクションアノード
715円 1個
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17670-91J02-000
サーモスタット,ウォータ50゜C
2,310円 1個
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17685-97J01-000
ガスケット,サーモスタットカバー
176円 1個
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サーモスタットは、シリンダブロックに配置されています。
サーモスタットカバーを外すためには、スターターのリコイルをまずは外します。
次にサーモスタットカバーの固定ボルトを外します。
ボルトを外したら、カバーをプラスチックハンマーで、少し横向きに叩きます。
ハンマーで少し横に叩くと、ズレてガスケットが剥がれます。
サーモスタットカバーを外すと、内部は想像の通り、全体的に塩の塊が出来ていました。
写真下側になりますプロテクションアノードの周りは、とても醜い状態でした。
カバー側にサーモスタット本体が固着しておりました。
新旧のサーモスタットを比較します。
プロテクションアノードを見てみると、半分は溶けて無くなっていました。
プロテクションアノードを新旧並べて比較します。
これは、ちょうど交換時期でしたね。ナイスタイミング!
先の尖ったピン(千枚通しのような形状)にて、たこ焼き鍋の掃除を千枚通しにて擦りながら行うような感覚で、塩の塊を掃除しました。
プロテクションアノードの周りは、完全に塩で埋もれていました。
時間にして、この清掃だけで30分くらい要しました。
更に同じくらい時間を要した作業は、サーモスタットカバーに接着されたガスケットを、キレイに剥がし取ることでした。この作業も30分程度かかりました。
清掃したら、新品のガスケット、サーモスタット、プロテクションアノードを組み込んで、サーモスタットカバーを組み立てます。
ここのサーモスタットカバーを固定するボルトには、取り外し時に塩カミにて作業が難航しましたので、グリスをタップリと塗り付けておきました。
あとは、スターターリコイルを元に戻し、作業完了となります。
今回は、清掃作業だけで1時間程度かかりました。
それ以外の作業時間は大した作業ではありません。
こまめな点検を早めにしておけば良かったですね。