どんな部品も劣化します。その中でもゴム部品の劣化は早く、だいたい10年位で硬化して柔軟性がなくなり、ヒビ割れそして欠損し、不具合が表面化してきます。
不具合が表面化してからの部品交換が
、最も安価に済むこともありますが、それはタラレバの話であります。
メンテナンスの基本は、まずは壊れないようにし、それでも壊れそうなら交換することです。
年数でだいたい欠損しそうな部品が分かってあるなら、交換するこです。
そんな部品とは大抵ゴムシールなどの部品か、回転軸周りの部品になります。
今回は、長年交換していないプロペラショフトのオイルシールを交換することにしました。
今回の記事はその記録となります。
命を預ける船外機なので、誤った整備にて大事に至ってはいけません。これを見て同じように交換される場合は、自己責任の範囲にてお願いします。
また部品番号は、年式によって異なります。因みに私は10年式です。
オイルシール交換作業スタート!
まずはプロペラから外していきます。
コッタピン(部品番号 09204-02001)を外します。
プロペラ(部品番号 58111-97J00-019)と、プロペラシャフトオイルシールプロテクタ(部品番号 56123-97J10)を外します。
ギヤオイルは一番最初に抜いても良かったのですが、プロペラシャフトハウジングを外す直前に抜きました。
抜いたオイルには白濁が見られないため、水の混入が見られないオイルシールはまだ大丈夫のようでした。
ドレーンプラグガスケット(部品番号 59178-97J00)は、見た目大丈夫そうでしたが交換しました。
ここからプロペラシャフトベアリングハウジングを分解します。
M6ボルト2本外します。
10mmのレンチにて外します。
ボルト2本外したら、ハウジング横にある溝2箇所に、かなり大きめのマイナスドライバーを当てて、両側を同時にこじると徐々に外れてきます。
ハウジングとともにプロペラシャフトも外れてきます。
この時プッシュロッドは外れやすく、中に残っているため、忘れずに!
そして向きを間違えないようにしましょう。
プッシュロッドは先端が丸い方が奥のギヤ側になります。
ギヤケースの中を覗くとこんな具合です。
プロペラシャフトをハウジングから外します。
プロペラシャフトのうち、オイルシールの当たる箇所には凸凹などはなく、摩耗していませんでしたので、問題なく再使用することにしました。
オイルシール交換に際し、ハウジングにはボールベアリングがガッチリと嵌まっていて、素手では外せません。
このベアリングの内径は10mmになります。
そこで登場するのが、ベアリングを内径側に引っ掛けて外すことの出来るパイロットベアリングツールと呼ばれる特殊工具です。
これを使うとベアリングを楽に抜き取れます。
今回のオイルシール交換には、この特殊工具が必要になります。
もし自分で交換するなら事前に用意しておきましょう。
アストロプロダクツでは1万円強の値段になります。
アマゾン等では半額の5000円前後にて購入出来ます。色々ありますが内径10mm用が必要になります。
この特殊工具が無くても、土木建築などにて使われる打込みアンカーを使って抜く方法もあります。
特殊工具があれば、敢えてリスク高めな方法を選択することはありませんからね。
この特殊ツールを使い、ボールベアリングを無事に外す事が出来ました。
しかしその後、ボールベアリングの内径側のアタッチメントがなかなか外せなく、悪戦苦闘してしまいました(^_^;)
結束バンドにて先端部が狭くなるようにして、引き抜くことで、すんなりと外せました〜。
こんなところで無駄に数分時間ロスしてしまいました。
ボールベアリングを外すと、ようやく今回の目的であるオイルシール部に辿り着けます。
ピックアップツールを使って、引っ掛け引っ張ると、一瞬でしかも楽に外せます。
ピックアップツールが無くても、マイナスドライバーなどにて反対側から押し出しても外せます。
このオイルシールを外したら、組立作業に移ります。その前に外したパーツはクリーニングしておきます。
オイルシールとOリングを交換しました。
オイルシールにはグリス塗り、素手で少し押し入れたら、ソケットレンチの先端部にて奥まで押し込みました。
オイルシールを2個取付けたら、次、ボールベアリングを組み込みます。
外す時に大変なことは、その逆の組込みも大変なんですね。素手では組込み出来ません。
そこで大きめなワッシャーとボルトナットにて挟み込んで、ベアリングが正しい向きになっている事を確認しながら、少しづつネジ込み、時折軽く叩きながら、押込むことが出来ました。
ここは特殊工具でなくても組み込めました。
この作業が終わると、その後は難しい作業は特になく、パーツを組戻すだけとなります。
最後にギヤオイルを注ぎ込んだら完成!
これで暫く安心して航行出来そうです。
今回はプロペラシャフト側のみオイルシールの交換しましたが、ギヤケースにはもう一つドリブン側にもオイルシールがあります。
そのドリブン側のオイルシール交換も今後行う必要があります。インペラゴム交換とあわせて交換すると効率的な箇所になります。
ドライブシャフト側のオイルシール交換する時、またこのプロペラシャフトハウジングを分解することになりそうですね。
ここのオイルシール交換は一年後とするかな?
それとも?インペラ周りののガスケット1枚使うことになりますが、点検がてらにオイルシール交換しておこうかな?
いや、面倒だからこれで今年の船外機整備はひとまず完了かな?
ソルトアウェイ処理をまだしてないから、次の作業は薬液を使った塩抜きかな?
など、メンテナンスにてやることは沢山あります。
整備に終わりはありませんね😁