この記事は、以前からテストや改造を繰り返してきたアンカーシステムについての話です。
船を海上で係留するには、通常はソコソコの重さがあるアンカーを底に沈め、ロープで繋ぎます。
それが水深が深くなってくると、物理的に難しくなってきたり、体力的に厳しくなってきます。
理由は、アンカーロープの長さは水深の2~3倍程度必要とし、また、その沈めたロープを回収するための体力が必要になるから。
以前から、捨て石アンカーや、大型ベイトを使ったアンカーシステムなど試行錯誤しているところです。
テストを重ね、このほど実用化の目処がたったので、本格的な設備投資をすることにしました。
まずは、ベイトリールのパワーアップ!
以前に使ったリールは、パワー不足です。
(釣りに使う用途なら、十分なパワーがあります。)
この程、中古釣具店にて超大型ベイトリールを見つけ、購入してきました!
それが、コチラ。
二つ並べてみると、その大きさの違いがわかります。
デカっ!
右側が新、左側が旧。
横から見ると、直径の違いが良く分かります。1.5倍位です。
こんな対比では、分かりませんよね。
スケールを当ててみました。
それにしても、超大型です。
重量感が、凄い。
転がるだけで、床の木材が凹みます。
このリールは、RYOBIのオールドリールになります。
アドベンチャー120GLです。
深海やトローリングなどで使うものですが、私はアンカーを引き揚げるためのウインチとして使用します。
ギヤ比は、何と2.1です。
ハンドル1巻きで、スプールは2.1回転です。
何て強力なトルクなんでしょう。
普段使うベイトリールは、ギヤ比が5~7位ですから、その半分以下のギヤ比です。
単純計算で、トルクは2.5倍以上。
そしてスプール直径ですが、4倍以上ですから、単純なモーメント計算は、4倍です。
全体として、単純にトルクは10倍以上となります。
求めた性能は、錆びにくい材質で出来たウインチの様なリールですからね。
陸上で使うウインチは、錆びやすい鉄製なので、海上では使えません。
錆びにくいステンレス材質となると、釣りのジャンルの中でも、深海やトローリングで使われる大型リールしか思い浮かびません。
どんなシチュエーションで使うものなのか?それは、30メートル以上の水深で、分割ボートを、ユルめにアンカーを効かせること。
完全にアンカーで係留させたいわけではなく、シーアンカーよりも効かせたい。流し釣りのスピードを、シーアンカーよりコントロールしたいから。
シチュエーションの話ではありませんが、回収作業が片手で出来ることが目標です。
作業のイメージは、こんな感じです。
片手は船外機のスロットルを握り、アイドリング程度のスピードで潮上を登ります。潮上に登りながなら、糸フケをリールで巻き上げる。
アンカー真上まで来たら、アンカーを底から巻き上げる。
アンカーを底から巻き上げるためは、リールはそれ相応なリフティングパワーがないと巻き上げられません。
以前のリールは非力(※注)だったので、作業が大変になるだけでした。
※注: 非力とは、アンカーを引き揚げるためのパワーが不足していたことを指す。決して本来の目的である魚とのファイトで、パワーが不足しているのではありません。
今後の取り付け方法について(案)
リールを買って取り付けただけでは、何の役にもたちません。今後は、船への取り付け方法の変更も必要になります。そこで、システム全体の変更に関して考えねばなりません。改造案のイメージはあるので、それを形にしていくだけです。
最後に
本末転倒な話ですが、釣りに出かけると、改造作業する時間がなかなか取れ無くて困ります(^_^;)
既にアンカーシステムの一部となるブツを購入し、それが届くようなので、リールのパワーアップを先に記事にしておきます。
続く