20 ストラディックSW5000を購入後すぐに分解し、オイルチューンとハンドルノブにベアリングを追加しました。
これだけで新品のグリスによる抵抗大の状態から比べ、ハンドルの回転が軽くなりましたが、もう少しだけ軽くならないものか?という欲望に支配されてしまいました。
ビョーキの域ですね(爆)
本体を分解してみましたが、ハンドルの回転が軽くなりそうなベアリング追加出来そうな箇所は、ローターナット部分しか残されておりません。
しかし、このローターナット部分へのベアリング追加は、一筋縄では行えないためか、他の方のブログ等を覗いてみても、ほぼ行われていないようです。
相当難しいのでしょう。
ですが、楽観的な私は、何とかなるだろうという期待と、もしベアリングを組み込むことが出来た時、回転が軽くなるであろうと言う妄想だけで、早々に部品を購入してしまいました。
そんな、パーツ達はコレ。
コレらは、全て13 ステラSW5000の部品になります。ギヤはXG、HG、PGのタイプとも同じ部品なのでしょうが、何となく同じPGタイプとしました(笑 関係ないでしょ)
ボールベアリングを除いたリテーナーからローターナットまでの部品代は、税込み1760円になりました。
ローターナット(部品番号:31) 935円
リテーナー(部品番号:27) 275円
ローター受ケカラー(部品番号:30) 165円
ローターベアリングシール(部品番号:28) 275円
座金(部品番号:122) 110円
ベアリングは別で購入し、ミネベアだと内径5mm、外径9mmのサイズにて、数百円になります。
さらに耐食性能の高いマイクロプレシジョン製キャストップを入れることにしました。それでも1個500円位になります。
ベアリングの内径は5ミリですが、シャフトが4.5ミリなので、この隙間を埋めるローター受けカラーと言う部品が必要になります。
この部品がないと、インフィニティードライブが完成しません!
ローターナットは、ストラディックSWのものには、ベアリングが入るスペースがないため、高級機種に採用されている対応部品が必要になります。
そのローターナットの大きさは異なるため、リテーナーも購入しました。
シールゴムはサイズが同じだったので、そのまま使えたのですが、高級機種のゴムシールとの違いが見たくなり購入しました。
この他に、後で出てくるワッシャーや、タッピングビスなど必要になります。
それでは、ベアリング追加する前に、分解作業と、部品の比較から進めます。
まずはスプールを外し、リテーナーからローターナットを外し、部品を比較してみます。
ローターナットとリテーナーの大きさが異なりますね。そして、シールゴムも異なります。
ストラディックSWは単純なゴムだけですが、ステラSWはゴムだけでなく金属の芯材というか補強が入っています。
パーツ1つにおいても高級機種ならではと言いましょうか、なんとも手の込んだ作りをしているなと感心させられます。
ローターナットは、下の写真で右側がストラディックSW5000、左側がステラSW5000のパーツになります。
ストラディックSWのローターナットは、15mmナットになります。
このロータ中央部に、薄いプラスチックカラーが入っていますが、ここにベアリングが入るような深さはありません。
左側のステラSW5000と比べても、中央部の深さが違い過ぎます。
因みにステラSW5000のローターナットの大きさは、19mmになります。
中央部に厚さ3ミリのベアリングを入れると、ローターナットとほぼ面一となります。
当然ですが、ステラSWのローターナットには、深さ3ミリの溝があります。
ここまでの比較では、全く問題点はありません。
ここから問題点が色々と出てきます。
それについて解説していきます。
ローターナットを反対側にし、比べてみますと、致命的違いが色々あることが判明しました。
話は逸れますが、ステラSWもツインパワーSWも、5000番6000番については、このローターナット部はほぼクリアランス代が無い状態なんですね。ここにメーカーは苦心の末にベアリングを入れたのだと感心させられます。兎に角凄いコンパクトにまとめ上げた設計です。
話を戻します。
ナットのネジ部の出っ張り長さが異なります。約1ミリ位、ステラSWのナットは、本体側の出っ張りが長いんです。
さらに、ベアリングを納めるためローターナットには段差がついています。
これら合わせると3ミリ程度も、異なります。
う~ん(^_^;)
これじゃ~単純には組み込めないよ~(;゜0゜)
このまま組んでみたところ、スプール受けと干渉してしまいました。
それは、スプールが前後する動きのうち、最後端にて当たると言うこと。破損してしまいます。
まずは問題点を洗いだし、対策していきます。詳しくローターナットの大きさを計測してみます。
ベアリングを納めているあたりにある段差は、外径12mm、高さ2mmになります。
まずはここを、どうにかしなければ。
そこでまずは、ツインパワーSWやステラSWの5000番6000番のように、ローター側にルーターにて2ミリ掘り出し溝加工をするのは、どうか?と考えるも。
⇒ローターの強度を大幅に低下させる方向なのでNG。
2ミリも削ったら、ローターに大きな力がかかるような大物がきたら、破損してしまいそうです。
もう一つの方法として考えたのは、隙間を2ミリ開けたままとするのはどうか?と考えるも。
⇒ローターを押さえる箇所がナット全面ではなく、ほぼ線となってしまい、ローターを押さえつける力が、かなり弱くなるためNG。
SW仕様のリールが、幅広ナットを採用しているのは、恐らくはローターの歪みを、ナットの面により押さえつけ、剛性を高めているのでは?と思われます。
それを高級機種ほど幅広にし、さらに剛性感を出しているのでは?
それを無にするような改造こそ、本末転倒な話になります。
そこで考えた出したのは、全体的に2ミリだけはスプール側に飛び出すが、段差によって生じる隙間を埋めるパーツにて補填し、ローターを押さえつつ、ローター側に削りこむ箇所を最小限にすること。
2ミリ位はスプール側とのクリアランスがあることを確認しましたので、何とかなるだろう!と見立てました。
これだけは、クリアランスがあります。
段差が無くなるよう、内径12ミリ、厚さ2ミリのワッシャーをバイク用品店にて1個220円で購入してきました。
これを組み合わせると、こんな感じ!
ピッタリ!
アストロプロダクツの他にも、同じような自動車整備用品店のストレートと言う店からも販売されています。
バイク整備もしているので、普段はあまり役にたたないマメ知識が、ここでは役にたちました。
本当は、もっとクオリティーが高いコレを購入したかったのですが、お店に在庫がなくて、仕方なくドレン用のワッシャーにしました。
アルミ板材から、精密に切り出せる技術があるのなら、リテーナーと同じ形状に切り出したほうが、リテーナーの固定が、もっと楽になります。
つぎの問題点の整理に移ります。
先ほどのアルミワッシャーを組み合わせてみても、まだ出っ張り長さが1ミリ程度長いんです。まだ1ミリ隙間が出来てしまいます。
そして、スプールの動きと干渉してしまいます。
この1ミリの出っ張り長さを合わせるため、削ってしまうのか?
⇒それでは、ローターナットが本来もつべきネジとしての長さを短くすることになってしまいます。
ねじ締結には最低限必要なネジ山数が、あります。少しの余裕を持たせた設計とすることが常ですが、流石に3ミリ未満しかないネジ長さを2ミリ未満にすることは、ネジ強度を半減させてしまうことからNG。
そこで、ローター側に1ミリほどの溝加工をすることにします。
このあたりの違いは、ローターナットの裏側の写真にて分かると思います。
ローター側の深さ方向に、平行溝とテーパー溝を1ミリ弱入れ、ナット側に少しだけテーパーをつけることで、強度を落とし過ぎず、ローター側にナットを食い込ませることが出きて、何とか組み込めるようになるはず!
この出っ張り長さの違いに対応した改造を行うには、繊細な加工と時間を要します。
本日は、すこし時間が無く、作業途中になってしまいました。
加工が終わり次第、この続きの作業過程は時間がある時、徐々に書き足していこうと思います。
この後、スプール押えまでのクリアランスを、2ミリ位かな?と曖昧な確認をしたことから、また問題点が露呈することになりました。
購入した2ミリ厚さのアルミワッシャーを、スプール受けとの間に入れたところ、ギリギリのところで当たってしまいました⤵️
クリアランス不足は、僅かでしたが、ダメなものはダメです。
改造案の変更を余儀無くされることとなりました。
今後、あまりローターの強度を落とさず取り付けられるか?怪しくなってきましたね。
本当にコレ、やらなくても良いような、難しい改造ですね(笑)
このつづきは、後編と改良編にて↓